このがま口は・・・もう6年くらい前に作ったモノ・・・

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ナチュラルのヌメ革で制作(試作)した・・・

しかしながら、商品化する事はなく、試作品ばかり入れた、ダンボールの奥に片付けていた。

柔らかいソフトヌメではなく、結構ハリのあるしっかりしたヌメで、
がま口を作りたいと当時は思っていた。

商品化しなかった最大の理由は、このがま口は何年も何年も壊れる事無く、
使えるのだろうか?と言う疑問。

知ってる人は知ってると思うが、がま口の口金は多くの場合、
がま口の袋となる部分と接着剤による接着と、
気持ち程度に金具の端を潰して、カシメて取り付けられているものだ。

勿論、この画像のがま口もその様に作られている。

接着剤は長い時間を掛けて、必ず固くなり痩せてくる。
 
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そして、画像の口金と革が外れるのだ。

このがま口は外れてないけどね・・・

だが、それも使う事無く、6年もの間、仕舞われていただけだから。

実際、当時、いくつか試作して、知人に使ってもらい、
耐久性を試した事もあった。

壊れる事無く使えているモノもあったが、
一年も使わない内に、口金が外れたモノもあった。

人によって、使用頻度もあるし、中に詰める物の容量も違う。

同じ様に作っていても、壊れる物は壊れる。

当然、革の部分は丈夫なわけで、長く使えるが、
口金との接着部分を、何度も何度も補修するのって・・・どうなんだろう?
そんな思いから・・・
お客さんから、「壊れちゃったよ。」の声を聞くのが嫌で、
商品化しなかった。

でも、ヌメ革のがま口は、本当は俺が使いたくて欲しかったモノ。
気遣いなく、ガンガン、ハードに使っても大丈夫なレザーがま口が欲しかったのだ。

あれから、随分この事に手を着けてこなかったが・・・・

ついに作った・・・

当アトリエオリジナルのがま口の口金・・・


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ずっと頭の中には構想はあったが、
作るとなると手間が大変で、同じクオリティーのモノを制作する難しさもあり、
なかなか手を着けようとしなかったのだ。

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でも、作った。

革も金工もやる当アトリエだからこそ、やれる事だと思ったし。

よくあるプレス制作の口金じゃなくて、
4mmの真鍮棒を曲げて制作しているので口金の強度自体が段違い。

全て真鍮無垢材で制作した。

真鍮棒の口金を革でくるみ、縫い付けて固定する事で耐久性の問題を解決する。


こんな感じ。(試作品)

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これは床革と言って、厚いヌメ革を漉いて落とした部分の革。
いわゆる廃棄する革なんだけど、
試作で使えるので、こうして使っている。

いくつもいくつも型紙を起こし、一番カッコいいスタイルを模索中。

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ボツ試作がどんどん増えてるが・・・

丈夫さは勿論、カッコ良さも追求したいところ・・・

良いものを作るので、
ご期待くださいませ!

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先日、出荷した、レギュラー販売としては最後の在庫のフィンランドエルクのチョークバッグ。

ショップも、だいぶん前に在庫が切れて、これは、minnneで販売していた最後のバッグ。

これにて完売なのだが、フィンランドエルクの革はまだ少し残している。

がま口に、この革を使いたい思いから、革をストックしておいた。

当アトリエのオリジナルがま口!
楽しみにしておいてください!






koukoku