うちのアトリエは、財布をあんまり売ってない。


作らない訳ではないが、財布だけは安いモノがネットの中に、沢山溢れてるから。

ネットで買うお客様からすれば、画像の品物が全てで、
何をどう拘っているとか、
どんな手間を掛けているだとか、
どんな材料を使っているとか・・・
手縫いか?ミシン縫いか?とか・・・

そんな事よりも、見た目と価格のバランスが良ければ、良いと言う人や、
人気ブランド品だから・・・って人が多いのかも・・・って思うから。

財布づくりはレザークラフトで言うなら、基本とも言えるし、
かといって、パーツ点数等も多く、丁寧に作れば、決して楽に作れるものでもない。

手間を掛ければ、非常に手間の掛けられる品物だと思う。

だから、基本的にオーダーを受けてからの制作が多くなる。

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カスタムトラッカーウォレット・・・

丘染ヌメ(通称、茶芯レザー)で制作した、総手縫いの品。

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正面のボタンコンチョに江戸時代の一分銀(天保一分銀)を贅沢に使用。

銀製のドロップハンドルも、アメリカの10セント銀貨での細工。

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内側は、通常のトラッカーウォレットとは違い、
ラウンドファスナーウォレットの内部の様に、サイドマチでガバッと開く作り。
カードポケットが12枚、ライセンスポケットが一つ。
コインケースのジッパースライダーのつまみには、一朱銀を使う。

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しっかり拘って、制作致しました。

長く、長く使ってこそ、味わい深くカッコイイ財布に変化していき、
買い換える事なんて考えず、補修しながらもずっと付き合いたくなる逸品です。


使っている材料からも、安い財布とはいきませんが、
自分の持つ物に拘る方には、お勧めできる品物です。

あとは、カスタムウォレットチェーンを制作する予定。

まだまだ、少々時間が掛かります。


茶芯レザーのヤレ感ってめちゃくちゃカッコいいんだよなぁ・・・





koukoku